2025.12.07 週報掲載の説教

2025.12.07 週報掲載の説教

 
喜びの知らせ

ルカによる福音書1章26節〜38節

鈴木美津子

*本日の説教の要約です。

 
アドベント第二主日、二本目のろうそく「平和」の灯をともすとき、私たちは、救い主の到来が確かに近づいていることを覚えます。神様は、華やかで大きな場所ではなく、「小さく、弱く、取るに足りない」と見なされる町ベツレヘムやナザレを選ばれました。そして、その小さな町に住む一人の若い女性マリアを選び、救いの物語を始められました。

天使ガブリエルはマリアに「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる(28)」と告げます。これはマリアの功績への評価ではなく、「神様が先に選び、共にいてくださる」という恵みの宣言でした。マリアはすぐには受け入れられず、「どうしてそのようなことがありえましょうか(34)」と戸惑います。聖書は、こうした揺れや問いを「信仰が弱い」とは語りません。むしろ「主よ、これはどういうことですか」と問いつつ歩むところから信仰が始まると示しています。天使は「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを覆う(35)」と答えます。救いは人間の力ではなく、神様の働きによって実現するのです。私たちが弱さに立ちすくむときも、神様は「あなたには難しくても、わたしにはできる」と語りかけてくださいます。

マリアはすべてを理解したわけではありませんでしたが、「私は主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように(38)」と応えました。この静かな「はい」を通して、救いの歴史は大きく動き出します。クリスマスの福音は、一人の心に生まれたその「はい」から始まりました。

今日、私たちの弱さや不安のただ中にも、神様は語られます。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」私たちも同じ恵みの言葉を受け取り、マリアのように静かに応える者とされたいと願います。「主よ、あなたのお言葉どおり、この身になりますように。」

アドベントの光は、クリスマスへの備えだけでなく、やがて

来られる主の再臨の希望を照らす光でもあります。神様の光が、

私たちの現在と未来に必ず差し込み、希望の道へと導いてくだ

さいます。