2025.7.6 週報掲載の説教

2025.7.6 週報掲載の説教

<2025年5月18日の説教から

『一つの群れになる』

ヨハネによる福音書10章16節〜30節

牧師  鈴木美津子

わたしにはこの囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。(16)」

「この囲いに入っていないほかの羊」とは、ユダヤ人以外の、いわゆる異邦人である主イエスの民を指している。すなわち、ユダヤ人ではなくて主イエスを信じている私たちこそ、「この囲いに入っていない他の羊たち」である。主イエスは「その羊をも導かねばならない」と言われる。「〜せねばならない」と訳されている言葉は、神のご計画に基づく必然を強調する言葉で「導くことになっている」というような意味である。さらに、主イエスは「その羊もわたしの声を聞き分ける」と言われる。つまり、今は教会の外にいて、主イエスと無関係に生活を続けている者も、主イエスの羊である以上、必ず主イエスの言葉を聞き分け、信仰が与えられ、教会へと導かれることになっている、これがここで示されている真理である。その上で主イエスは、「こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる」、と結論づけられる。この文は、原文をそのまま訳すと、「彼らは一つの羊となる、一人の羊飼いによって」となる。多くの羊が一つの羊になる、そして、それを導く一人の羊飼いがおられる、これが教会の真の姿である。羊は目が悪く、方向音痴で、飼い主がいなければ生きていけない弱い生き物である。それは、まるで、私たちのようではないか。しかし、私たちのために命を捨てた十字架の主イエスがここにおられる。その主イエスは、天の父とご自身の間にある永遠の愛の交わりと同じ交わりに与る者として私たちを囲いの中に加えてくださった。主イエスの羊は主イエスのものであり、父なる神様のものである。この一週も主イエスの御声を聞き、促しを受け、迷わずに天の御国を目指すのである。