2025.11.30 週報掲載の説教

2025.11.30 週報掲載の説教

 
待ち望む光

マタイによる福音書3章1~12節

鈴木美津子

*本日の説教の要約です。

 
今日からアドベントが始まります。「アドベント」とは本来「到来」、つまり神様が来てくださるという意味です。私たちはこの季節、「来られる」イエス様をただ待つのではなく、歩みを整えながら待ち望む旅人のように心を備えます。

聖書は、信仰者を「地上では旅人であり、寄留者である」と語ります(ヘブライ11:13参照)。アドベントは、神様の約束に信頼して歩み始める季節です。

その歩みを「旅」にたとえるなら、私たちは三つの大切な視点を思い起こします。第一は「昔」―イエス様がベツレヘムに来てくださった出来事、第二は「現在」―日々の生活の中で主がそばにいてくださる恵み、第三は「未来」―イエス様が再び来てくださるという希望の約束です。この三つの時は、イエス・キリストという一本の光の道でつながっています。

預言者イザヤは、不安の中にあった民に「恐れることはない、わたしはあなたと共にいる(イザヤ41:10)」と語りました。私たちの弱さや暗闇のただ中でも、神様は先に手を伸ばし、私たちを支え、歩みを導いてくださいます。また、洗礼者ヨハネは「悔い改めよ。天の国は近づいた(2)」と呼びかけました。それは責める言葉ではなく、「光が近づいているから、光のほうへ向きを変えなさい」という優しい招きです。

アドベント第一主日の今日、私たちの心に一本の小さな光が灯されました。神様の救いは、いつも小さく、静かに始まります。ベツレヘムの小さな町、飼い葉桶の小さな場所、そして小さな命。神様は小さな光から救いを広げてくださるお方です。どうかこの小さな光を心に守りながら、来られるイエス様を待ち望むアドベントの歩みを、希望と共に始めましょう。