2024.2.4 の週報掲載の説教

2024.2.4 の週報掲載の説教
<2023年11月26日週報から>

『パウロの誇り』
ローマの信徒への手紙15章14節~21節

牧師 鈴木美津子

そこでわたしは、神のために働くことをキリスト・イエスによって誇りにしています。(17)」キリストに結ばれた者として、神のために働くことができたこと、それがパウロの誇りであり、使徒としての拠り所であった。パウロは、「キリストがわたしを通して働かれたこと以外は、あえて何も申しません」と記すことによって、自分の働きがキリストの働きであったことを記している。天におられるキリストが聖霊によってパウロと共にいてくださり、彼の言葉と行いを通して異邦人を神様に従順な者とされたのである。キリストは、パウロを用いて、しるしや奇跡の力、神の霊の力によって働いてくださった。この「しるしや奇跡の力」とは、悪霊追放や病の癒しの奇跡のことである。

また、「神の霊の力」とは、パウロが語る福音と共に働く、聖霊の力のことである。聖霊が心を開き、彼が語る福音を信仰をもって聞くことができるようにしてくださるのである。キリストはパウロを通して働いてくださった。それは、キリストに結ばれている私たちも同様である。私たちは、彼のように癒しの奇跡を行うことはできない。しかし、私たちの語る福音と共に、聖霊は働いてくださる。そして、福音を聞く者たちの中から信じる者たちを起こしてくださる。そのようにして、私たちもまた、神の福音のための祭司の務めを果たすことができる。天におられるキリストは、御自分の弟子である私たちを用いて、今も、働いてくださっている。ですから、私たちも神のために働くことを、キリストにあって誇ることができるのである。それが私たちの教会が確かに立つ拠り所なのである。私たちが、週に一度、ここに集まり礼拝をささげるのはなぜか?異教の国である日本において、キリストの福音を語り続ける、その拠り所はどこにあるのか?それは、天におられるキリストが私たちを通して働いてくださることにある。パウロはそのことを確かな拠り所として、エルサレムからイリリコン州まで巡って、キリストの福音をあまねく宣べ伝えたのである。

私たちもまた、パウロのようにまだキリストを知らない人々に、福音を宣べ伝えることは、真に名誉なこと、光栄なことである。私たちを通して、キリストが働いてくださる。キリストと共に、神のために働くことができる。そのような光栄に、私たちも与る者とされているのである。