ただ、お言葉をください

2009.8.30  ルカ 7:1-10  牧師 村松惠美

 異邦人である百人隊長が、ユダヤ人の長老たちを使いにやって、病気で死にかかっている部下を助けに来てくださるようにイエスに頼みます。このとき、ユダヤ人の長老たちはイエスに、「あの方は、そうしていただくのにふさわしい方」であると言って頼みます。自分たちユダヤ人のために会堂を建ててくれるのだから、この人は助けられるのにふさわしいと言うのです。本来、異邦人には助けられる資格などないのに、この人の場合は例外的に認めてやってもよいのではないかという高慢な思いから出た言葉です。

 イエスが、この百人隊長の家に向かう途中で、彼はもう一度使いをイエスのもとに送り、自分はイエスに来ていただけるような者ではなく、自分の方から伺うことさえ、ふさわしくないと言うのです。彼は、神の大きさと、いかに自分が神の前に小さな者であるかを知っていました。

 百人隊長はその上で、イエスに、「ひと言おっしゃってください。そして、わたしの僕をいやしてください」と願います。イエスの言葉にはその力があるというのです。彼のイエスに対する強い信頼と、まことの謙遜を、イエスは見てくださいました。

 信仰は自分が神の前に出ることができないほどの罪人であり、だからこそ、神に依り頼むしかできない者だということを知ること、そして、そのような者に御言葉を与えてくださる方を信頼することです。