わたしは世の光である

2009.7.12  ヨハネ 8:12-20  牧師 中家 誠

 仮庵の祭りは、イスラエルにとって秋の収穫感謝祭であり、出エジプトの荒野の生活を想起する時である。この祭りはまた、「水の祭り」「光の祭り」とも呼ばれた。シロアムの池から水を汲んできて祭壇に注ぐ。また燈火を明るくともして人々が歌い踊るのである。

 この祭りの終わりに、主イエスは「わたしは世の光である。わたしに従う者は闇の中を歩くことがない」と言われた。主イエスこそ、神のもとから来られた「真の光、命の光」である。これはキリストの自己宣言であり、わたしたちはそれを信じ、教会の信仰告白ともなっている。

 さて、光は闇の中に輝く。闇とは、①わたしたちの死と隣り合わせの苦しみや不安であり、②人の心の中にある憎しみや敵意の闇である。また③「自分が何処から来て、どこへ行く者であるか」を知らないことである。このような心の闇を照らし、いのちの根源者である父なる神のもとに導いてくださるのが、御子イエス・キリストの使命なのである。

 このキリストの証言を信じ受入れ、キリストと命の交わりを持つ時に、人は闇の中を歩くことがない。これは事実である。この証言を信じ受入れた人たちは、死の恐れから解放され、憎しみや敵意から解き放たれ、愛の人として生きたのである。コルベ神父の勇気、マザーテレサの愛は、これを物語る。そこに至ることは容易ではないが、そこに正しい真の生き方があることをわたしたちは知っている。これらは「世の光」であるキリストから来るのである。